編集担当;(株)ポプラ社・山田より
最初に原稿を拝読した時、目からウロコがボロボロと落ちました。世間の「食品情報」がいかに間違っているかが、食品業界に精通した著者ならではの視点と科学的なデータを豊富に用いた論理的な解説によって、はっきりと浮き彫りにされています。
素晴らしいと思うのは、食品業界の方でありながら、強い正義感と勇気をもって、食品の真実とその裏側を明らかにしている点です。「いまの食品報道は偏向・ねつ造・暴走が過ぎる。間違った情報に右往左往し、不安を抱いている人たちに真実を伝えたい。安心して食品を選ぶ知識をもってもらいたい。それが本を書こうと思った動機です」。著者との最初の打ち合わせのとき、そうおっしゃっていたのが印象的でした。
これまでも「食の安全性」を取り上げた本は多く出版されていますが、「これは危険!」「これなら安全!」とセンセーショナルに騒ぎ立てたものが多かったように思います。そのなかにあって、冷静かつ科学的に真実を伝える本書は、新鮮で、信頼に足るものだと自負しています。
食べ物のスキャンダルが社会を騒がせているが、われわれは、「食の安全」にかかわる事実をどれだけ正しく理解しているだろうか。
この本は、日本社会がいかに「誤った情報」「誤った認識」に振り回されているかを教えてくれる”目からウロコ”の本だ。
外国産より国産が安心、天然モノ・無添加・無農薬のほうが安全でおいしいなど多くの“常識”を分かりやすく覆してくれる。
著者が食品業界に20年間身を置き、食品流通のすみずみまで知り尽くした専門家。
世界でも極めて厳格な日本の食品衛生法がいかに実態にそぐわないか、データを使って解説するくだりは説得力がある。
また、賞味期限とう自主的な基準を絶対視するあまり、衛生的に全く問題のない食品が全面回収され、すべて焼却や積み戻し処分にされている現状に疑問を投げかける一方で、消費者をだまして高い価格を払わせる「産地(ブランド)偽装」が日本中にまん延していることを怒りとともに告発、盲目的な「産地信仰」に走る消費者にも苦言を呈する。
日本の食糧自給率の低さ、世界的な食糧難などが問題になっている今、賢い消費者であることがいかに大切かを考えさせられる。
食品流通を隅々まで知り尽くした著者の芳川氏が“一般メディアが食の真実を歪めている”と警鐘を鳴らしながら、現場情報と豊富なデータを駆使し、”誰も知らなかった食品の裏側”を解き明かす。
本書は「食品の常識には迷信がいっぱい」「誰も言わない中国食品の真実」「産地偽装、あの手、この手」「賞味期限の期限は適切か」「国産、天然志向の罠」「”自然がいちばん”の落とし穴」「メディアのウソを見破れ」「食卓から見えてくる行政の怠慢」「見直すべき食との向き合い方」「食の真実を知る心得」の10章から構成されるなかで、氏は「世間の風評に流されず、食品に対して正しい認識を持ち、無駄な出費や精神的被害を受けることがなくなると同時に、悪徳業者が淘汰される健全な社会にあんることを願ってやまない」と綴っている。
本書を一読することでこれまで“食品”に対していかに間違った解釈を持っていたかを痛感することだろう。